農山漁村には、その地域の特色ある農林水産物、美しい景観など、長い歴史の中で培ってきた貴重な資源がたくさんあります。
協会が取り組む『農商工観光連携』(農商工連携は国の事業です)とは、このような資源を有効に活用するため、農林畜水産物者と商工業者、観光事業者、産学官等の方々がお互いの「技術」や「ノウハウ」を持ち寄って、新しい商品やサービスの開発・提供、販路の拡大などに事業活動です。
日本観光コーディネーター協会では、観光コーディネーターの育成を目指しています。
いままで、協会は公的支援事業、研修活動、地域ブランドの評価活動などを、全国各地で実施させていただきました。そのどの地域におきましても、地域資源は多様な分野にわたり、特に観光資源と農林水産物資源に恵まれていました。
日本の各地には、それぞれ人が住み始めたころからの歴史があり、たとえば数百年
継承してきた技術などには、それを有効とさせてきた地域の人々の知恵と努力が
凝縮されてできたものが数多くあります。
それは単なるアイデア倒れにならずに「ものづくり」「コトづくり」、「まちづくり」にこだわることができたからだと考えています。今後、本事業を実施した地域においても観光と融合した商品開発や観光資源を活用した新たな観光メニュー開発による商品・サービスの育成が望まれています。
地域特産品には
・観光、農林水産物や地域の文化など地域資源と密接に結びついているもの
・その地域で量的に多く生産されているもの
・その地域で昔から生産されてきた食材を原料として使った加工食品など
・その地域に伝わる技術(加工方法、栽培方法、伝統の技法等)を生かして得られたもの
・その地域独特のメニュー、食べ方、使われ方をしているもの
などがあります。
地域商品の特徴
<長所と考えられる点>
◎安心・安全
◎素朴(田舎感)
◎伝統のよさがある
◎どこにもない素材、技術などを持っているもの
などがあり
<欠点と考えられる点>
◎ひとりよがりなものも見うけられる
◎価格は少し高目のものも多い
◎特長が表現しきれていないもの
もあります。
また、地域特産ブランドには、生産量は少量であるが、地域限定的な生産で、他にない特徴を有する特色ある産品で、食材にこだわる料理店や愛食家など、特定の消費者・消費地をターゲットとした販売戦略の展開が見込める産品を対象としているものもあります。
さらに、学校で学ぶことは、地域の特産品の理解になるでしょうし、一般的には「お土産は何にしたらよいのか」、「ギフトとして贈りものをするのには何が良いか」と悩むのも消費者の観点でしょう。また、まだ知られていない旅の楽しみを発見し、同じ旅行も、地域に潜んでいる隠れた名所、名物などを知ることで新鮮な発見があります。
さらに、これからは、安全や安心、品質などの信頼の上に立って、産地特産を「市場の視点」で、より公正な「複眼の目」で見ることも重要になる時代であるといえるでしょう。
観光商品
観光商品の特徴は「時間空間消費型商品」(無形)と「物品」(有形)があることです。無形商品は、事前に見て・触れることのできない商品のため、その多くは「チケット」という形で販売されています。無形商品として代表的な交通機関は、これまで旅行(移動の意味)会社等などで旅行として商品パッケージに組み込まれて流通・販売されてきましたが、団体旅行などが減り、地域では『観光』による地域活性化が叫ばれている現在、それぞれ観光地のマーケットにあわせた独自のものが台頭してきています。着地型観光はその代表例であり、宿泊についても同様といえるでしょう。
一方、有形商品としての「名産物」、「名産品」、「郷土料理」や「工芸品・民芸品」「土産物」等は、観光施設の飲食・物品販売施設、土産物店、宿泊施設、空港、駅、道の駅、ドライブイン等で、また「物産展」として流通業等でも販売されています。さらに、形あるモノ(料理、特産品など)として新たなものが数多く商品化されているのが現在です。B級グルメなども、今ではその動向は見逃せなくなっています。
このような観光商品を見てみますと
観光商品の主な無形商品は
(1)交通機関(JR、私鉄、航空、バス、タクシー)
(2)観光資源・・・自然・景観、生活文化、伝統的歴史、スポーツ、芸術などの中に観光商品となりえるものが多く存在
(3)地場産業などの技術、知財
などがあげられます。
観光商品の主な有形商品は
(1)地域特産(特産物、特産品)・・自然界からの特産物と加工した特産品
農林畜水産物、加工食品、伝統工芸品、民芸品など
(2)観光特産品は、その地域の特産物を使ったもの・・・地域特産は、地域の特産物を使っていないものも多く存在
(3)鉱・工業製品
などがあげられます。
このような状況を見れば、観光コーディネーターが活躍する機会はますます、増えてくるでしょう。
「観光」のコーディネーターは
現在では、観光とは、観光行動と観光施設など、その周辺の「モノとサービス全般」の関連事業活動を含めたものを意味するものです。これとよく混同されるものに、旅行(旅)があります。その解釈には諸説もありますが、多くの資料にあるように、旅行は「人が空間的、物理的に移動すること」を意味します。これは距離などを特定していないこともあり、交通技術の革新や2次交通などの交通手段の複雑化などにより大きく変化し、その市場をつかむことが困難になっています。その観光行動は、移動、宿泊、飲食、見物、体験、スポーツ、レクリエーションなど、全てを包含することから、ほとんど全てが何らかの形で、観光にかかわっているともいえます。
そのため、今後は、旅行代理店でも観光コーディネーターの人材は必須となると思われます。また、公的機関等の観光振興、地域振興などの業務にあたられている方、さらに独立系コンサルタントの方などの人材育成は必須となるでしょう。
さらに、観光系、観光学科などを有する大学や専門学校などのカリキュラムにも、必要な科目が網羅されています。
特に地域そのもののエリア・アイデンティティ=地域ブランドの構築と確立であり、もうひとつは、商品ブランドとしての「地域特産ブランド」(特産品と特産物)と新たな「観光」の商品化です。
地域ブランドによるエリア・アイデンティティの確立は、地域のブランドイメージを向上し、広くモノやサービスが売れるという経済的効果のほかに、地域住民にとっては、地域に対する愛着や誇りを生み出し、地域の活力にもつながる効果も有します。
また、商品・サービスブランドとしての地域特産、観光ブランドのアイデンティティ確立は、ある特定地域が有する資源である歴史、文化、自然、景観との融合、また特産品や伝統工芸品、工業技術など、地域固有の風土を生かして生み出された他の地域とは異なる独自のブランド価値の確立であるともいえます。
このように、観光コーディネーターになる方は、旅行代理店や観光施設、宿泊施設、観光物品販売施設、リゾート施設、その周辺の事業者の方、また、農林畜水産事業者、食品加工事業者、観光振興、地域振興、コンサルタントなど、こうした業務を行う方などを対象にしています。
これまでにも当団体は、連携する経済産業省認可のセールスレップ協同組合、日本セールスレップ協会、関連する各地の社団・財団法人、協同組合、NPO、金融機関などと共に地域特産品などの製品評価プログラムの開発、学校教育用カリキュラムの開発、公的職業訓練校のマーケティング研修等を展開してまいりました。
私たちはいずれも豊かな観光資源を持つ一連の地域の情報発信を行い、地域企業の啓発に務める他、地域の関連支援者にも情報を公開して、単なる検定試験に終わることなく、観光資源の融合に関する知識、またより高度な観光商品・サービス開発のスキルをより広く浸透、普及させることが重要であると考えています。
これまでの研修事例
観光検定
旅行検定 観光試験 旅行試験 観光資格
旅行資格 旅の検定 旅の試験 名物料理 郷土料理検定
特産・名産品検定といわれる、全国観光特産検定。
日本観光コーディネーター協会が認定する観光コーディネーターは、当協会がこれまで実践で培ってきた行政、及び地方公共団体等の研修、セミナーなどのキャリアアップ・プログラムをもとにした、観光コーディネータ人材カリキュラム編成による観光のプロフェッショナルの人材育成を目的としています。
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日本観光士会 一般社団法人日本観光文化協会内
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